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立命館大政策科学部の高村学人教授=2024年11月12日、大阪府茨木市、山田史比古撮影

 相続時などに登記簿の記載が更新されず、現在の所有者にたどりつけない土地が大量に発生してしまった「所有者不明土地」問題。2024年4月から相続登記が義務化されるなど、近年、次々と対策がなされてきました。しかし、立命館大の高村学人教授(法社会学)は、問題の本質は「所有者不明」より「メガ共有」だといいます。どういうことでしょうか。そして、メガ共有がもたらす「アンチコモンズ」の悲劇とは。

  • 【解説人語】九州より広い?所有者不明の土地 「大相続時代」が来た

 ――近年、政府もメディアも「所有者不明土地」の問題を取り上げ、対策も進んできました。しかし、本質はそこではない?

所有者不明土地=単独の所有者?

 どうしても、所有者不明土地というと、単独の所有者がいるのだけど、どこにいるかわからない。そういうニュアンスに聞こえます。

 でも、実際に多いのは、もともと個人所有だった土地が、相続時に登記がなされず、代を重ねるごとに相続人が膨大にふくれあがって、その土地を売却したり利用内容を変更したりしようとしても、登記の名義人から数多くの相続人をたどっていかなければならない。いろいろなところに散らばった相続人、共有者の数が非常に増えて、しかも全員から合意を得ないと新たな利用ができない。そういう問題なので、これは「アンチコモンズ」の問題としてとらえるべきでしょう。

 ――誰でも利用できる共有地は、資源が過剰に利用されて枯渇してしまうという「コモンズ(共有地)の悲劇」はよく聞きますが、「アンチコモンズ」というのは?

 コモンズの悲劇は、みんなが…

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